平野哲郎の研究と趣味 本文へジャンプ
平野哲郎―趣味

好きな映画・ドラマ
「クレイマー・クレイマー」
1979年の映画。家事や育児など全くしたことがなかった仕事人間だった夫(ダスティン・ホフマン)は,愛想を尽かした妻(メリル・ストリープ)が「自分自身の人生を生きる」ために家を出た後,5歳の息子の世話に追われることになる。そのため仕事上の大きなプロジェクトで失敗し,失業するが,子どもとの絆はもともと夫に批判的だった妻の女友達からも「beautiful」と評されるものに育っていく。
ところが,妻から離婚訴訟を起こされ,子どもの養育権をめぐる争いが生じる。法廷で,互いの弁護士による容赦ない反対尋問で夫も妻も傷ついていく。
最後に,裁判官の下す判断は・・・
何度見ても泣けます。

「12人の優しい日本人」
有名な「12人の怒れる男」(ヘンリー・フォンダ主演)のパロディ。三谷幸喜作なので,とても面白いです。
1回では味わいきれません。学生時代に映画館で見て,これは何度か見ないと深さが分からないと思い,なけなしのお金をはたいてビデオを買って,何回も見ました。
どの陪審員がどんなことを最初に言っていたか,そしてその陪審員の言うことがどのように変わっていくのか,一人一人について注目して見ていくだけでも12回楽しめます。さらにどの陪審員がオリジナルの「怒れる男」のどの陪審員に対応しているのか比較して見るという楽しみもあります。
学生向けの教材としては,あらかじめ論点を整理した表を作っておいて,どのような事実や証拠が審理の中であらわれ,その事実や証拠を無罪の意見の陪審員はどのように評価し,有罪の意見の陪審員はどのように評価していくのかメモさせながら視聴させ,その後評議させるという使い方もできます。主張整理表を下にアップしておきます。
自己紹介のコーナーでお名前を挙げたフット先生は,ワシントン大学のロー・スクールでご自身が奥様(日本人)と一緒に作られた翻訳付きでアメリカの学生に見せておられました。

「12人の優しい日本人」主張整理表

「評決」
映画。医療過誤事件を素材にし,ポール・ニューマンが弁護士を演じている。ミスの組織的な隠蔽は世界共通であると分かります。

「プラクティス」
アメリカ・ボストンを舞台にした弁護士ドラマです。
正義感と中小事務所経営などの現実のぶつかり合いがとてもリアルです。

「ジャッジ」「ジャッジU」
南の島の支部の裁判官を主人公にしたNHKドラマ。
裁判官の人間的な悩みがとてもよく描けています。泣けます。
第1シリーズ放映後,日本裁判官ネットワークの企画でプロデューサーの方をお招きしたときに,私が「憲法事件もやってください」と申し上げたところ,「こんな小さな島の裁判所で憲法事件があるでしょうか」と仰ったので,「非嫡出子の相続分が嫡出子の2分の1であることが憲法14条の平等原則違反であるという事件は,どこででも起こりえます」と申し上げました。
そうしたら,「2」では,主人公が非嫡出子の相続分を2分の1とする民法の規定は違憲である,との判断をしていました。ドラマ作りにちょっと貢献できたようで嬉しかったです。

「白い巨塔」(第2部:唐沢寿明主演)
山崎豊子原作の医療過誤裁判をテーマにした不朽の名作のドラマ化作品。
裁判や医療のシーンがほぼ正確であることはもちろん(若干おかしいところはある。医療過誤裁判の経験が豊富なはずの原告代理人弁護士が証拠保全で画像を検証対象に入れていないなど),患者側,医療側のそれぞれの思いがとてもよく描けており,「医事法」の授業で活用しています。



好きな本
学生時代には,ディケンズ(「大いなる遺産」,「デイヴィッド・コッパーフィールド」,「クリスマス・キャロル」等),O・ヘンリー短編集などを愛読しました。
最近よかったと思ったのは,
白石一文「もしも私があなただったら」
大崎善生「アジアンタム・ブルー」などです。
透明感のある明快な文体と奥行きあるストーリーが魅力です。



好きな音楽
小田和正
西村由紀江
アンドレ・ギャニオン
ルルティア(「シャイン」という曲が名曲です)

透明な音質と明快なメロディーラインが共通点です。
それとは別に中島みゆきの深みのある歌詞も好きです。
クリアかつ深みのある理論を作っていきたいです。


好きな遊び・スポーツ
将棋

小学校の時は将棋部でした。今はスマホのアプリで楽しんでいます。

落語
小学生のころから祖母と聴きに行ったり,図書館で「子ども寄席」という本を借りて読んだりしていました。なかなか行く機会がありませんが,ときどきNHKの上方演芸ホールなどで楽しんでいます。

水泳
小学校でスイミング・スクールに通い,中学校では水泳部でした。今もスポーツクラブで時々泳いでいます。

合気道
大学の時,ちょっとだけサークルに入っており,アメリカ留学中は毎朝7時から道場に通いました。最近はのんびりペースで稽古しています。試合もなく,平和的なので,性に合っています。高段者の演武はとても美しいです。

自転車
高校以来,できるだけ自転車で通えるときは自転車での通学・通勤をしてきました。水木しげるが,自宅に原稿を取りに来た編集者に「ちょっと自転車で散歩してきます。あのペダルの回転が脳の働きを促進するのです」と言って,自転車で逃げ出すマンガがありますが,たしかにそういう面はありそうです。学生時代は,通学前に司法試験の問題を1問読んでおいて,自転車をこぎながら考えて通学し,大学図書館に着くと同時に答案を書くという練習をしていました。
今も,自転車で通いながら,京都の季節を楽しみつつ,法律問題を考えています。


好きなマンガ
法律系
「ナニワ金融道」
(青木雄二)
金融道のプロが法の網をいかに知恵を絞ってかいくぐろうとするかが,とてもよく分かります。民法,民事訴訟法,民事執行法,民事保全法などの勉強になります。人間ドラマとしても面白いです。

「家栽の人」(毛利甚八作・魚戸おさむ画)
植物の「栽培」が趣味の家庭裁判所の桑田判事が主人公。こんな裁判官がいたらいいですが,「白い巨塔」で患者側に立って証言する里見医師同様ちょっと理想的すぎです。

「そこをなんとか」(麻生みこと)
ホステスをしながら司法試験に受かった主人公が,弁護士就職難の中,何とか元お客様の教授兼弁護士の零細事務所に潜り込む。なさそうで,実はありうるストーリーとギャグが素晴らしい。タイトルは弁護士の仕事が実は「そこをなんとか」というものだから。

医療系
「ブラックジャックによろしく」(佐藤秀峰)
「おたんこナース」(佐々木倫子)
いずれも医療現場で,スーパーマンではない普通の医師や看護師がどう考え,感じ,日々仕事をしているかよく描けています。

お笑い系
「大正野郎」(山田芳裕)
芥川龍之介と自転車をこよなく愛し,浅草に下宿する学生が主人公。「平徹」(たいらてつ)という名前が個人的に親近感が湧きます。

その他,手塚治虫,藤子不二雄(両者),水木しげるの作品はマイナーなものも含め,だいぶ読みました。
雑文の龍谷漫学「私のマンガ遍歴」を参照してください。


好きな俳優
加藤剛
さん
小学生のころ見た「大岡越前」とNHK大河ドラマ「風と雲と虹と」(1976年)で主演した平将門のかっこよさは忘れられません。
祖母と夕方見ていた「大岡越前」は私が裁判官になろうと思った原点ともいえます。
口笛のテーマ曲がまた素敵でした。CD「ちょんまげ天国」に収録されています。